ジェネリック医薬品のジェネリックの意味

富山県の陽進堂から発信するジェネリック医薬品情報へようこそ。
ジェネリック医薬品のジェネリックとはどういう意味なのでしょうか。

まず、最初に開発された薬を先発薬と呼びます。
これに対し、後から作られるジェネリック医薬品は後発医薬品とも呼ばれます。
先発薬は、発明から約20年、特許によって守られます。
特許が切れた後は、他の製薬会社でも同じような薬を作ることができるようになります。
薬を開発するとき、まだその薬に名前はついていません。
ここでいう「名前」とは、商標登録名のことです。
商標登録名は、もちろん消費者に親しみやすく呼びやすい名前になります。
それに対し、開発中の薬はその薬の成分名で呼ばれます。
商標登録された名前がブランドネーム、成分名はジェネリックネームと呼ばれます。
ブランドネームはなんとなく想像がつくのではないでしょうか。
ジェネリックは英語でgenericと書き、この単語は日本語では「一般名」といった意味を持ちます。
アメリカでは、ジェネリック医薬品を処方するとき、名前ではなく成分名、つまりgenericを記載します。
このことから、日本では後発医薬品のことをジェネリック医薬品と呼ぶようになったのです。
ジェネリック医薬品の全てが、成分名で呼ばれているわけではありません。
きちんとブランドネームがついたものもありますし、主要成分が名前になっている薬もあります。
当たり前ですが、成分が同じだからといって、商標登録された名前を使うことはできません。
そのため、ジェネリックでは違う名前や成分名を名前として使用しているのです。

ジェネリック医薬品の切り替え可否は処方箋の記述で分かる

先発医薬品の特許が切れた段階で患者にとってより安価でより改良された製薬を提供しようと開発されるジェネリック医薬品ですが、多くの人にとって経済的にも大助かりになるであろうこれらも、なかなか爆発的な普及を達成できずに時を経てきました。

しかしながら社会保障費が莫大に膨れ上がっている日本では健康保険費でカバーする医療費を抑えるためにジェネリック医薬品の普及にも取り組んでいます。
2006年にはこのジェネリック医薬品をもっと身近なものにすべく処方箋の様式が変わり、医師のサインがあれば既存の医薬品をジェネリック医薬品に変更することが可能となりました。
2008年にはさらに浸透率を広げるべく、今度は医師がジェネリック医薬品への切り替えを禁止する場合にのみ「変更不可」欄に「レ点」や「×」を記さねばならないといったシステムに変更されるに至りました。

これによって薬の切り替えを希望する患者は医師にわざわざ相談する必要がなくなり、薬局にて気軽に対応できるようになりました。
患者に薬の切り替えを相談された薬剤師はまず処方箋の「変更不可」欄に何らかの記述がないか確認したのち、後発医薬品を調剤することができます。

なおこの欄に印が入っている場合、後発医薬品だと何らかの支障や副作用があるということですので調剤ができません。
また場合によっては「含量規格変更不可」や「剤形変更不可」といった記述があるものもあり、薬剤師はこれらの指示の範囲内に限り調剤することができます。

ジェネリック医薬品は先発医薬品の特許期間後に開発

すべての医薬品は開発された時点で特許出願がなされます。
それら特許の種類は物質、用途、製剤、遺伝子などの項目に分けられており、この出願が通過することで特許は確立され、他の製薬会社がこれを模した医薬品を作ることは固く禁じられます。
これらは出願されてから20年間にわたり維持されることとなり、該当期間においては先発医薬品を開発したメーカーが独占的にその製薬を製造・販売し続けることが可能となるのです。

それでは20年が経過するとどうなるのでしょうか。
これまで特許で守られてきた該当する製薬の製法や原料などはオープンとなり、各社が同じ効能を持った製薬を更なる安価で開発しようと競争が始まります。
そうして生まれるのがジェネリック医薬品です。
これらは先発医薬品に比べて安価に手に入ることから患者にとっても、また患者の健康保険を負担する国家にとっても医療費を抑える意味で非常に重要なファクターとなります。

また実際には特許の認可状況は様々なケースが複雑に絡まり合っており、物質的には権利が切れているのに製造方法的にはまだ権利が切れていないという場合も多く、その場合には他社にもオープンになった物質や原料を使用して、それを独自の製法によって薬品製造していくといった道筋も可能となります。

つまりジェネリック医薬品とは先発医薬品メーカーの築いてきた礎をもとにして、そこに他社の更なるブラッシュアップを施した末に生まれてくる知恵と努力の結晶ということができるわけです。