ジェネリック医薬品に対する海外諸国と日本の捉え方の違い

こんにちは、富山県にある陽進堂のブログへようこそ。
世界の先進国で高い使用率を誇るジェネリック医薬品。
背景には、配合成分が同じであれば製薬会社のブランドは問わないという合理的な考え方が、各国の患者さんたちに浸透しているというのがあります。
また、医療費を抑えるための対策として、ジェネリック医薬品の使用を優先させることを医師や薬剤師に義務づけている国も少なくありません。
一方、日本は、海外諸国のようにジェネリック医薬品の使用を義務づけられているわけではありません。
革新的な変化を好まないという国民性も影響して、利用率も高くありません。
ただし、日本政府は数年前から海外に倣ってジェネリック医薬品の利用を推進しています。
少子高齢化が進むことで外国以上に医療費存続の危機を迎えている日本は、少しでも予算を少なくする努力が求められているからです。
新薬からジェネリック医薬品に変更するだけで、年間1兆円以上の予算削減が可能です。
また、患者さんにとっても治療薬としてのランクを落とすことなく自己負担額が大幅に減るという利点があります。
自分のため、社会全体のために、使わない手はないのではないでしょうか。

ジェネリックの安定した供給にまつわること

国内でのジェネリックの利用度が欧米に及ばない理由の1つとして、新薬よりも安定した供給ができていないからと指摘されることがあります。
確かに、病院や調剤薬局によっては、希望するジェネリックの在庫がなく取り寄せになるというケースがしばしば起こります。
ただ、新薬を使っている患者さんが大半であることや、医療機関の規模の大きさと在庫のバランスといった事情により、ジェネリックの個数が最初から新薬よりも少ないという現状となっています。
ジェネリックの製薬会社自体は、企業としての責任から安定供給を常としています。
万が一、取り寄せということになっても、品切れで入手困難というようなトラブルには至らないので、2~3日後には再入荷されます。安心してください。
取り寄せになるような状況を回避したいのであれば、日本ジェネリック医薬品学会による推奨マークを提示している医療機関を選択するとよいでしょう。
ジェネリックを安定供給している証なので、欲しいジェネリックをすぐに購入できますよ。

マスキング技術はジェネリックにも活かされている

“良薬口に苦し”ということわざがあります。
不快な経験をしたとしても後々自分のためになる、というような意味です。
上記のことわざは比喩的表現ですが、実際のところ効き目の良い
治療薬は苦くて後味が悪いというパターンが多いです。
ただ、近年は、”良薬口に苦し”の時代でもなくなってきています。
マスキングと呼ばれる薬の加工技術が発展してきたため、不快感なく良薬を服用できるようになっているのです。

ジェネリックも例外ではありません。
ジェネリックが対象とする新薬は20年以上前に開発されているので、効き目が良くても飲みづらいことが多々あります。
ジェネリックは開発時に、新薬と同じ有効成分が同等に働くよう配合しますが、同時にマスキング技術により飲みやすくするための工夫も凝らします。
粒子単位でコーティングすることで苦みを抑えると、糖衣や香りづけでごまかさず味そのものがない薬にすることが可能です。
他にも、錠剤の形を小さくしたり水なしでも溶けやすくするなど最新技術を駆使した配慮により、新薬よりも優秀なジェネリックになることが珍しくないのです。

安さだけではないジェネリックの魅力

先発医薬品の新薬よりも格段に価格が安いことで知られているのが、後発医薬品であるジェネリックです。
同じ有効成分を利用して製品化されているので、効能を劣化させることなく自己負担費のみを節減することができます。
また、国の医療財政の改善対策にも有効です。
とはいえ、ジェネリックの良さは価格だけではありません。
ジェネリックは、当然ながらもとの新薬と同じ有効成分を同じ用量で配合しなければなりません。
ただ、形状や色、他の添加物は、有効成分に悪影響を与えない限り自由に工夫することが法的に許されています。
ゆえに、苦みを抑えるコーティング加工や錠剤を小さくするといったもとの新薬にはない様々な配慮をしているジェネリックが多数存在します。